その翌月、12月11日の祭りごとの日、広瀬も再びやってきました。そこで前と同じように夕食を一緒に食べて、いざお祝詞を上げようとすると、広瀬が、
「島田さん! この前やった字を読むのを、今晩もやってくれたまえ」
と言いました。菊地が広瀬に、「そんな神様をオモチャにするようなことはいけない」と言って諭そうとすると、佐藤がまた神がかりになって、
「許してつかわす」
と神様のお告げを言いました。そこで、再び、一階で初代様以外の全員が書いて来て、初代様に渡しました。初代様が読みはじめると、えり首に二、三人の鼻息がかかっていたのが、初代様に感じられました。
さて、初代様が読み終わると、やはりみんなはビックリ顔でした。広瀬が言いました。
「島田さん。ぜんぜん真っ暗で、明るいところは少しもないじゃありませんか!」
初代様は、両手の人指し指と親指で丸い輪を作って答えました。
「そんなことはないよ。この位、大きく明るくなったじゃないか」
初代様の広瀬に対する説明を聞いて、菊地が言いました。
「お待ちなさい。その明るいのは、神様が島田さんだけにお照らしなさるので、ほかの人には見えませんよ。いいですか、皆さん。明るいばかりでなく、お声でも、音でも必要に応じて神様は、必要な人にだけにお聞かせなさるので、そばにいても必要のない人には、わからないんですよ」
このようなことを、なぜ神様はなさるのかと言いますと、初代様の仲間たちは、菊地を除いて、並大抵では信仰につかない人間でしたので、このようなふしぎなことを見せつけて、初代様たちを信仰につかせ、お救いくださるお考えだったのです。
神様は、いろいろな不思議なことや奇蹟を初代様たちに見せつけ、知らず知らずのうちに初代様が宗教家になるまでお導きくださったのです。
「島田さん! この前やった字を読むのを、今晩もやってくれたまえ」
と言いました。菊地が広瀬に、「そんな神様をオモチャにするようなことはいけない」と言って諭そうとすると、佐藤がまた神がかりになって、
「許してつかわす」
と神様のお告げを言いました。そこで、再び、一階で初代様以外の全員が書いて来て、初代様に渡しました。初代様が読みはじめると、えり首に二、三人の鼻息がかかっていたのが、初代様に感じられました。
さて、初代様が読み終わると、やはりみんなはビックリ顔でした。広瀬が言いました。
「島田さん。ぜんぜん真っ暗で、明るいところは少しもないじゃありませんか!」
初代様は、両手の人指し指と親指で丸い輪を作って答えました。
「そんなことはないよ。この位、大きく明るくなったじゃないか」
初代様の広瀬に対する説明を聞いて、菊地が言いました。
「お待ちなさい。その明るいのは、神様が島田さんだけにお照らしなさるので、ほかの人には見えませんよ。いいですか、皆さん。明るいばかりでなく、お声でも、音でも必要に応じて神様は、必要な人にだけにお聞かせなさるので、そばにいても必要のない人には、わからないんですよ」
このようなことを、なぜ神様はなさるのかと言いますと、初代様の仲間たちは、菊地を除いて、並大抵では信仰につかない人間でしたので、このようなふしぎなことを見せつけて、初代様たちを信仰につかせ、お救いくださるお考えだったのです。
神様は、いろいろな不思議なことや奇蹟を初代様たちに見せつけ、知らず知らずのうちに初代様が宗教家になるまでお導きくださったのです。